壊れて橋げただけが残る鴨緑江大橋、朝もやのなかに対岸の観覧車が姿をみせる。
圷真一(The InterMedia Center)
開発の進む中国側の沿江商貿地区の遊歩道から
北朝鮮領を望む。大きな煙突からは煙が出ていない。

 自転車の大移動が車窓から見える。北京や上海のそれにはかなわないが、それでもたくさんの自転車が舗装されいない道を土煙をあげながら走っている。道端で店を開く人もいる。いつもの中国の朝の風景。中国遼寧省はこうしてみるとごくありふれた地方都市だ。ただこの街がふつうじゃないのは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の新義州市と鴨緑江をはさんで接している国境の街丹東だということだ。それは列車から降りたそのホームで感じとれる。平壌まで行く乗客を乗せた特別列車の前では大勢の係官が集まり、重々しい雰囲気のなか出入国審査が行われている。入国資格のないほとんどの乗客は、その横を通って改札口へ向かう。
 ハングル文字の看板を見ながら駅前の大通りを行くと鴨緑江にぶつかる。河のほとりの鴨緑江公園からは、右手に現在国際列車が通るのに使われている灰色の鉄橋と、旧満鉄時代にかけられ、朝鮮戦争時に壊された水色の鉄橋が見られ、その先に観覧車や工場が並ぶ北朝鮮領を望むことができる。この公園から出ている遊覧船に乗ると北朝鮮の地は踏めないが、かなり近づいて見ることができる。
 観光客を乗せた船は、もやのかかる対岸をめざし岸を離れる。鴨緑江大橋の下をくぐり、どんどん北朝鮮領に近よって行く。先ほど遠くに見えた滑?覧車がまず目に入ってくる。遊園地があると思わせるが、あるのはこの観覧車だけである。もちろん人は乗ってないし動いてもいない。

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