余裕のベオグラード
夜遅くまで若者でにぎわう共和国広場(Trg Republike)にはほとんど人影はない。薄暗い街頭の中にコンサートのやぐらが建てられ、深夜遅くまでやっていたレストランやカフェも閉まっている。空爆前はこの広場に立っていると人の話し声がうるさくて逃げ出したくなるほどの活気があった。誰に聞いても「戦争だから店は早く閉まってしまう」という。 しかし夜が明け街明るくなってくると空爆が連日続き空襲警報が鳴り響く恐ろしい雰囲気は一掃される。午後12時から始まる「空爆反対ロックコンサート」とでも言うのか、共和国広場のやぐらのから大音響で音楽が流れ続ける。毎日数千人の人々がこの広場に集まり、NATOの攻撃に対し、音楽で迎撃している。参加者達は皆胸に「ターゲット(TARGET)」と書かれたバッジやA4サイズの紙胸につけている。「標的はここにたくさんあるよ」とNATOの空爆を笑い飛ばしている。
食料品などの生活物資の不足は感じられない。物価も安定している。しかしガソリンなどの燃料は不足している。市民に割り当てられるガソリンの量は月に40リットルだ。終わりのない空爆を知らせる空襲警報は街に響くが、もう人々は慣れてしまったのか防空壕にはいるのは老人達だけである。「もともと何もなかったから空爆で壊されても痛くない。壊す手間が省け新しいものがつくりやすい」などと語り、まだユーゴスラビアの市民には余裕が感じられる。 (C) Copyright, 1999, The InterMedia Center |